一つ一つ言葉を選ぶように話していく藤沢クン。
こんな風に真剣に話を聞いてくれるなんて…。
「ありがとう…優しいね、藤沢クン…」
涙を拭いながら微笑みかけた。
「ごめん、どう言っていいかわかんなくて…」
「うぅん、すごく嬉しかったよ。なんだか胸が軽くなった」
「そぉ、か…」
うん!と頷いて立ち上がるとスカートの裾をパタパタと叩いた。
「…やっと、この場所に来れた…」
「…え?」
「あれから海には来れなかったんだ…」
「うん…」
「でも、なんとなく行ってみようて気になれたの…」
「きっと、この澄みわたる空のおかげ、かな…」
「空?」
「うん、私空が大好きなんだぁ」
「もちろん、海も、大好きなの」
「そっか…」