「・・・・すっかりいい『お父さん』って感じだなー」

走って行く子ども達の姿を見守っていた後ろから聞き慣れた声がかかった。

「・・・大成」

「一生結婚しないって宣言してたお前が今では良きパパ、か。感慨深いものがあるなぁ」

「・・・ま~たそれをネタに俺をからかいたいんだろ?」

呆れたように俺は溜息を一つこぼした。

「心外だなぁ。ほんとにそう思ってるんだよ。だって考えても見ろよ、あのお前に子どもがいてあんなふうに子どもを諭すなんて。昔のお前を知ってる奴なら誰だってそう思うって」

「・・・・まぁな」

「ふふっ、ほんと、藤枝君がパパになるのも驚きだけど、ここまで子煩悩パパになるなんてね」

「お前達だって大概だろ?」

「はは、まぁね~?」

そう言って大成は抱っこしていた男の子を高い高いすると、その子は動く度にきゃっきゃと大喜びではしゃいでいる。

「なおも体調は大丈夫なのか?」

「うん。もう大分つわりも落ち着いてきたよ。最近は一気に食欲が増してきて体重との戦いかな」

アハハっと笑いながらお腹を摩る。

「美羽ちゃんだってそろそろだろ?」

「あぁ・・・・って美羽はどこに行ったんだ?」