「…」

「……」

どうしよう、めちゃくちゃ気まずい


いや、こいつが大声出さなきゃこうはならなかった訳で…

とか頭のなかで正当化してみても口に出せるような内容じゃないし


よし、取り敢えずこの手(爪)を外そう。
腕掴んだままってちょっと…

お互い無言のまま
私が焦りながら手を離しかけると

何を思ったのかそれまで動かなかった河野が急に動いた。

「…っ!?」

びっくりして途中で固まった私の手が
それよりも二回りくらい大きな河野の手に捕まえられて


他にも思うことや考えるべき事があるはずなのに
そういえば今日手袋持ってきてなかったな…
とかそんなことをぼんやりと思ってた。