「…なさい…ごめなさ…」
「ん…?」
つぼみの、声?
目を覚ますと泣きながら眠るつぼみが居た。
「つぼみ…?」
「ごめっ…生まれてきて…ごめんなさい…」
「‼︎」
ギュッと胸が締め付けられる。その分つぼみの手をしっかりと握る。
「助…けて…コウ…!」
「つぼみ。起きて。それは夢だよ、大丈夫」
「いっ…やめて…ごめんなさっ…」
「つぼみ‼︎」
ハッとつぼみが目を開ける。
「こ…う?」
「うん、僕だよ」
「夢…?」
「うん。」
「よかった…」
「もう7時だし、起きよっかな。さ、つぼみ熱測ろう」
「うん」
つぼみが熱を測ってる間にお茶をコップに入れてあげる。
「測れたぞ」
あ、タツミに戻ってる。
よしここで第一回タツミ取扱説明書。
・熱がある又は寝ぼけているとつぼみに戻る
「おい、測れたと言ってるだろ」
「あぁ。ゴメンゴメン。はいお茶。飲ませてあげようか?」
ニヤニヤしながら聞くと軽く睨まれる。
「は?何を寝ぼけている」
「あれ?昨日の夜のこと覚えてないの?」
「昨日の夜?」
本気でキョトンとするタツミ。…覚えてないのか。
本日2回目のタツミ取扱説明書。
・寝ぼけているときの記憶はない
オーマイガーッ‼︎あんなに可愛かったのに‼︎いや、タツミも可愛いけれどつぼみも可愛いからさ!昨日の甘えてるつぼみは⁉︎
「今日のハリーはいつも以上に訳がわからん」
「待って⁈いつも以上って何⁈」
「そのまんまの意味だよ。」
ベットから降りようとするタツミを慌てて止める。
「熱は⁈」
「は?さっき体温計渡しただろうが」
「へ?」
手を見ると確かに体温計。
「36度7分…平熱だね。」
「じゃぁ朝飯作ってくる。」
扉の前でタツミはふと足を止める。
「ん?どったの?やっぱりまだ熱あるの⁈」
「違うよバカ」
バカッ⁈
「その…昨日はありがとな」
「へ?昨日?」
覚えてないんじゃなかったの?
「ほら、ずっと側に居るって言ってくれたろ?あれ…嬉しかった」
「あぁ。そっちか。
…約束しよ?ほら!」
小指を出して笑うとタツミも笑いながら小指を出して絡めてくれた。
「「指切りげんまん嘘吐いたら針千本飲ーます、指切った!」」
「マジで針千本飲まして指切るからな」
「そんなことやらせやしないよ」
脅迫に見えるけど、タツミなりの『離れないで』。
「そっからの続き覚えてる?」
「は?俺その後すぐ寝なかったか?」
「いや、寝たけど…あ、じゃぁ薬は⁈」
「あ?薬飲んだのか俺」
そういやあの時熱1番高かったや…
「ん?おい、ハリー、顔赤いぞ?」
「…気のせいだよ。てかそこに今触れないで」
「お、おぅ。なんかデリケートなとこだったのか、すまん」
1人で意識してた自分が恥ずかしいよ。穴があったら入りたい。そこに蓋してほしい。
「じゃぁ僕も着替えたら朝ご飯の用意手伝うからね」
「あぁ。なぁ、ハリー。」
「ん?」
「頬…どうしたんだ?」
「あー…つぼみに、ちょっと」
「えっ俺なのか…」
「寝ぼけてたからね、仕方ないよ」
「昨日の夜の記憶が途切れ途切れなのと関係あるのか…?」
「あるんじゃないかなー?じゃぁ僕着替えてくるよ」
タツミは着替え超高速だからね。急ごう
リビングに入るとタツミはもうご飯を作り出していた。
おかしいな、2分で着替えたのに。
「ハリー。お前着替えるの早いな」
「僕よりも早く着替えた人に言われたくないな」
「それより皿、出してくれ」
「はいはーい」
今日は…あ、フレンチトーストだ!
「ハイお皿」
「ありがとな。今日はフレンチトーストだ。お前好きだろ?」
「うん!僕タツミが作るフレンチトースト大好きだよっ♪」
タツミの方が何京倍も好きだけど♪
「それと、あのトワの横に座ってるの誰だ?」
「…」
昨日自己紹介してたんだけどな。
「トワちゃんの好きな人だよ」
「そ、そーなのか!じゃぁ俺はミオン起こしてくるから」
「じゃぁ僕はヒビヤくん達起こすね」
「おぅ」
トントン、と扉を叩く。
「ヒビヤくーん、ヒナちゃーん。朝だよー7時半だよ?」
返事ない。てか物音一つしないよ。
「入るよー?」
ベットを見ると2人並んでスヤスヤと眠ってる。
よかったよね今日が土曜で。土曜じゃなかったら皆遅刻だよ。
「ヒビヤくーん、ヒナちゃーん。起ーきーて!7時半だよ!朝ご飯だよ!」
「んー…」
「…」
ヒビヤくんは起きたけどヒナちゃんがまだぐっすり。
「…ハリー?はよ」
目をこすりながら起き上がったヒビヤくんが挨拶をする。てかヒビヤくんの腕にヒナちゃん引っ付いてるよ
「ヒビヤくん、おはよう。ヒナちゃん起こしてくれる?」
「ん。
おいヒナ。朝だぞ」
ベチッとヒナちゃんの頬を叩くヒビヤくん。
「そーだヒビヤくん。昨日の夜シュンタローくんがここに来たよ」
「げぇっ!マジかよ…帰った?」
「うぅん、今ソファーでトワちゃんと並んで寝てるよ」
「まだいんのかよ…。
…おいヒナ起きろよ!つか引っ付き癖治せよ‼︎」
「んー…」
「引っ付き癖って?」
「こいつ寝ぼけてたりしてたら引っ付いてくるんだよ」
口調は嫌そうだけど…
「顔真っ赤だよ」
「なっ…黙れよ!」
「んん…しゅうやぁ…」
「ばっ…起きろっつの‼︎」
「ぅん…」
「わ、おま、ちょっ、さらに引っ付くなよ!」
「んー…」
「離せ離れろ起きやがれ‼︎」
「あと5分…」
「わぁった!あと5分寝ていいから離せ!俺は起きる!」
「やぁ〜修也もあと5分一緒に寝るの」
「嫌だ!」
「zz…」
「あぁ!もう寝やがった、くそっ!」
もしかして毎朝こんなのかな?
「毎朝毎朝!だから一緒に寝るの嫌なんだ!一緒に寝るの嫌だって言ったら泣くしどんだけ寂しがり屋なんだよ!」
「朝から大変だね」
「うっせ!おいヒナ!5分経ったぞ!」
まだ2分くらいしか経ってないけど?
「うーん、もお?…じゃぁギュッてしてくれたら起きるぅ」
「何それ抱きしめろってこと?」
「うん…」
ボッと効果音がつきそうなほどの勢いでヒビヤくんは真っ赤になった。
「なっ、はっ、ちょっ、う、おま、はぁ⁈」
「ダメ…?」
「いやその別にさ…ダメとかそんなのじゃねえけどこんなの学校の奴らにバレたら俺殺されるんだけど」
あぁ、ヒナちゃんは学校のマドンナなんだね。今や異色のアイドルとか居るもんね、一部の大人達はこうやって異色を受け入れ始めてるのに全体で見ると受け入れられてないもんなぁ。
「大丈夫だよぉ、私が守るから」
「あっ、それにほらお前の好きな人に誤解されるかもじゃねーか!な?」
ヒビヤくん、言ってて悲しそうだよ
「…私は修也が彼女作るまで彼氏作らないもん」
「はぁ…ったく。何秒?」
「1分!」「却下、3秒な」
聞いた意味あるのかな。
あ、もう抱きしめてる。
よしカメラ。
カシャッ
「なっ!ハリーお前撮ったな⁈」
「うん☆じゃぁ僕リビングに居るから着替えて出ておいでね♪」
「じゃぁヒナ、俺も着替えたらリビング行くから。」
「はぁーい」
僕と一緒に部屋を出るヒビヤくん。
「一緒の部屋なんじゃなかったの?」
「寝るとき限定だよ。それよりデータ消せよ」
「えーそれが人にものを頼む態度かな?」
なんて昨日の僕が言えたことじゃないけど。
「け…消してください」
「そんなこと言ったって消さないよー?」
「ハリーてめぇ!」
「アハハ、そういえばヒナちゃん二度寝はしないの?」
「俺が横に居ないとしないよ」
「へぇー」
「ニヤニヤすんなっ!」
「じゃぁ早く着替えておいでよ」
あー面白い。ヒビヤくんからかうの面白いなぁ。
「あっ、ハリー、おはよぉ」
「おはよ、ミオン」
「なぁハリー。こいつら起きねぇ」
「ハリー、トワの横の人だぁれ?」
「あとでトワちゃんが紹介してくれるよ
おぉーいトワちゃーん。シュンタローくーん。写真撮っちゃうよー?」
なんて言いつつ撮る。
さてもう一枚撮ろうかな?…あ、カメラ越しにトワちゃんと目が合っちゃった。
「なっ、ハリーサンマジで撮ったんですか⁉︎」
「まぁまぁ。後でヒビヤくんとヒナちゃんのあげるから」
「えっ…うーん。絶対ですよ?」
「うん♪メールで送っとくよ」
「はっ⁈ケイが男とメール?まさかうわ「黙ってください」
ガチャ、とリビングのドアが開きヒビヤくんとヒナちゃんが入ってくる。
「タツミさん、ミオンさんおはよーです!」
「団長、ミオン、はよ」
「ヒビヤ、ヒナ、おはよぉ」
「2人ともおはよう」
「トワ姉はよ」
「トワお姉ちゃんおはよ」
「おはよーございます!ヒビヤサンヒナサン」
「修也、千奈、俺はスルー⁈」
「アーオハヨー」
ヒビヤくん棒読み…
「皆起きたか?飯にするぞ」
皆が席に着く。
「「「「「「「いただきます」」」」」」」
「…さっきから気になっていたんだがお前誰だ?」
「えっ、昨日自己紹介したじゃん」
「…会ったのか?」
「…」
落ち込むシュンタローくん。
「ほら、ミオンも居るしさ、もう一回自己紹介しとこーよ」
「俺緑川俊太郎です。
…ケイのか「私と同い年でーす☆人見知りですが頭だけはいいので勉強教えてもらえますよ!」
「ケイ…頭だけって何?しかも最後まで言わせろよ」
「団長サン、これ美味しいですねー。自家製ですか?」
「あぁ」
「待てよ俺名前知らない人2人も居んだけど!」
「あぁ…すまんな。俺はタツミ。」
「男?てか昨日の人とそっくりだな」
「は?昨日の人?」
「タツミは女で昨日の人と同一人物だよ」
「ふーん…そっちの人は?」
シュンタローくん昨日みたいに噛まないかな。つまんないよ。
「あぁああぁの、わゎわたしっ、ミオンでしゅ…」
「おぉ、おお俺はしゅんたりょーでしゅ」
噛み噛みコンビだね。つられちゃったのかな、シュンタローくん
「しゅんたりょー?」
「…シュンタローです」
「よろしく」
「よよょ、よろしくですぅ…」
人見知りコンビ無事和解。
「ほら皆とっとと食え。」
「ごちそーさま!」
相変わらずタツミは食べるの早いなぁ。それを真似てたら僕も食べるの早くなっちゃったよ。
「タツミ今日曲聴こうね」
「そうだな。皆が食べ終わって食器を片付けてから聴くよ」
「あ、団長サン!私やってます」
「トワ。すまんな」
「いえ、ここに居させてもらってるんですからこれくらいしないとですよ!」
「じゃぁ頼むな」
「はい!」
「おいハリー。何ボサッとしてる。行くぞ」
「あ、待ってよ!」
僕を置いてスタスタと歩き出すタツミを慌てて追いかける。
「とっとと聴かせろ。それと作文出せ」
「はい!」
昨日慌てて書いた作文。なんとか書けたよ。作文とノートとシャーペン、曲の入ったスマホを持ってタツミの部屋にいく。
「タツミ、イヤホン」
「ん」
そういえばタツミって何かしてるときはいつも音楽聴いてるよねぇ。タツミがいつもしているワインレッドのイヤホン。僕があげたんだよねぇ。気に入ってもらえてよかったよ。
「これは誰の曲だ?」
「これはタツミだよ。はいノートとシャーペン。」
「ん。」
受け取ると同時にノートに文字が書かれていく。
忘れないうちに書きたいのかなぁ。それは曲と一緒だねぇ。
「書けた。次、ハリーのだよな?」
「うん。もう作文読んだの?」
「あぁ。ほらとっとと聴かせろ」
「はいはい」
すごいうずうずしてるのがよくわかる。タツミは僕の曲を聴くときうずうずし出すよね。嬉しいなぁ
「次、ミオンのか?」
「うんそーだよ…ってえ⁉︎早くない⁈」
「あ?そーか?まぁいいから聴かせろよ」
「はーい」
「ん…?」
つぼみの、声?
目を覚ますと泣きながら眠るつぼみが居た。
「つぼみ…?」
「ごめっ…生まれてきて…ごめんなさい…」
「‼︎」
ギュッと胸が締め付けられる。その分つぼみの手をしっかりと握る。
「助…けて…コウ…!」
「つぼみ。起きて。それは夢だよ、大丈夫」
「いっ…やめて…ごめんなさっ…」
「つぼみ‼︎」
ハッとつぼみが目を開ける。
「こ…う?」
「うん、僕だよ」
「夢…?」
「うん。」
「よかった…」
「もう7時だし、起きよっかな。さ、つぼみ熱測ろう」
「うん」
つぼみが熱を測ってる間にお茶をコップに入れてあげる。
「測れたぞ」
あ、タツミに戻ってる。
よしここで第一回タツミ取扱説明書。
・熱がある又は寝ぼけているとつぼみに戻る
「おい、測れたと言ってるだろ」
「あぁ。ゴメンゴメン。はいお茶。飲ませてあげようか?」
ニヤニヤしながら聞くと軽く睨まれる。
「は?何を寝ぼけている」
「あれ?昨日の夜のこと覚えてないの?」
「昨日の夜?」
本気でキョトンとするタツミ。…覚えてないのか。
本日2回目のタツミ取扱説明書。
・寝ぼけているときの記憶はない
オーマイガーッ‼︎あんなに可愛かったのに‼︎いや、タツミも可愛いけれどつぼみも可愛いからさ!昨日の甘えてるつぼみは⁉︎
「今日のハリーはいつも以上に訳がわからん」
「待って⁈いつも以上って何⁈」
「そのまんまの意味だよ。」
ベットから降りようとするタツミを慌てて止める。
「熱は⁈」
「は?さっき体温計渡しただろうが」
「へ?」
手を見ると確かに体温計。
「36度7分…平熱だね。」
「じゃぁ朝飯作ってくる。」
扉の前でタツミはふと足を止める。
「ん?どったの?やっぱりまだ熱あるの⁈」
「違うよバカ」
バカッ⁈
「その…昨日はありがとな」
「へ?昨日?」
覚えてないんじゃなかったの?
「ほら、ずっと側に居るって言ってくれたろ?あれ…嬉しかった」
「あぁ。そっちか。
…約束しよ?ほら!」
小指を出して笑うとタツミも笑いながら小指を出して絡めてくれた。
「「指切りげんまん嘘吐いたら針千本飲ーます、指切った!」」
「マジで針千本飲まして指切るからな」
「そんなことやらせやしないよ」
脅迫に見えるけど、タツミなりの『離れないで』。
「そっからの続き覚えてる?」
「は?俺その後すぐ寝なかったか?」
「いや、寝たけど…あ、じゃぁ薬は⁈」
「あ?薬飲んだのか俺」
そういやあの時熱1番高かったや…
「ん?おい、ハリー、顔赤いぞ?」
「…気のせいだよ。てかそこに今触れないで」
「お、おぅ。なんかデリケートなとこだったのか、すまん」
1人で意識してた自分が恥ずかしいよ。穴があったら入りたい。そこに蓋してほしい。
「じゃぁ僕も着替えたら朝ご飯の用意手伝うからね」
「あぁ。なぁ、ハリー。」
「ん?」
「頬…どうしたんだ?」
「あー…つぼみに、ちょっと」
「えっ俺なのか…」
「寝ぼけてたからね、仕方ないよ」
「昨日の夜の記憶が途切れ途切れなのと関係あるのか…?」
「あるんじゃないかなー?じゃぁ僕着替えてくるよ」
タツミは着替え超高速だからね。急ごう
リビングに入るとタツミはもうご飯を作り出していた。
おかしいな、2分で着替えたのに。
「ハリー。お前着替えるの早いな」
「僕よりも早く着替えた人に言われたくないな」
「それより皿、出してくれ」
「はいはーい」
今日は…あ、フレンチトーストだ!
「ハイお皿」
「ありがとな。今日はフレンチトーストだ。お前好きだろ?」
「うん!僕タツミが作るフレンチトースト大好きだよっ♪」
タツミの方が何京倍も好きだけど♪
「それと、あのトワの横に座ってるの誰だ?」
「…」
昨日自己紹介してたんだけどな。
「トワちゃんの好きな人だよ」
「そ、そーなのか!じゃぁ俺はミオン起こしてくるから」
「じゃぁ僕はヒビヤくん達起こすね」
「おぅ」
トントン、と扉を叩く。
「ヒビヤくーん、ヒナちゃーん。朝だよー7時半だよ?」
返事ない。てか物音一つしないよ。
「入るよー?」
ベットを見ると2人並んでスヤスヤと眠ってる。
よかったよね今日が土曜で。土曜じゃなかったら皆遅刻だよ。
「ヒビヤくーん、ヒナちゃーん。起ーきーて!7時半だよ!朝ご飯だよ!」
「んー…」
「…」
ヒビヤくんは起きたけどヒナちゃんがまだぐっすり。
「…ハリー?はよ」
目をこすりながら起き上がったヒビヤくんが挨拶をする。てかヒビヤくんの腕にヒナちゃん引っ付いてるよ
「ヒビヤくん、おはよう。ヒナちゃん起こしてくれる?」
「ん。
おいヒナ。朝だぞ」
ベチッとヒナちゃんの頬を叩くヒビヤくん。
「そーだヒビヤくん。昨日の夜シュンタローくんがここに来たよ」
「げぇっ!マジかよ…帰った?」
「うぅん、今ソファーでトワちゃんと並んで寝てるよ」
「まだいんのかよ…。
…おいヒナ起きろよ!つか引っ付き癖治せよ‼︎」
「んー…」
「引っ付き癖って?」
「こいつ寝ぼけてたりしてたら引っ付いてくるんだよ」
口調は嫌そうだけど…
「顔真っ赤だよ」
「なっ…黙れよ!」
「んん…しゅうやぁ…」
「ばっ…起きろっつの‼︎」
「ぅん…」
「わ、おま、ちょっ、さらに引っ付くなよ!」
「んー…」
「離せ離れろ起きやがれ‼︎」
「あと5分…」
「わぁった!あと5分寝ていいから離せ!俺は起きる!」
「やぁ〜修也もあと5分一緒に寝るの」
「嫌だ!」
「zz…」
「あぁ!もう寝やがった、くそっ!」
もしかして毎朝こんなのかな?
「毎朝毎朝!だから一緒に寝るの嫌なんだ!一緒に寝るの嫌だって言ったら泣くしどんだけ寂しがり屋なんだよ!」
「朝から大変だね」
「うっせ!おいヒナ!5分経ったぞ!」
まだ2分くらいしか経ってないけど?
「うーん、もお?…じゃぁギュッてしてくれたら起きるぅ」
「何それ抱きしめろってこと?」
「うん…」
ボッと効果音がつきそうなほどの勢いでヒビヤくんは真っ赤になった。
「なっ、はっ、ちょっ、う、おま、はぁ⁈」
「ダメ…?」
「いやその別にさ…ダメとかそんなのじゃねえけどこんなの学校の奴らにバレたら俺殺されるんだけど」
あぁ、ヒナちゃんは学校のマドンナなんだね。今や異色のアイドルとか居るもんね、一部の大人達はこうやって異色を受け入れ始めてるのに全体で見ると受け入れられてないもんなぁ。
「大丈夫だよぉ、私が守るから」
「あっ、それにほらお前の好きな人に誤解されるかもじゃねーか!な?」
ヒビヤくん、言ってて悲しそうだよ
「…私は修也が彼女作るまで彼氏作らないもん」
「はぁ…ったく。何秒?」
「1分!」「却下、3秒な」
聞いた意味あるのかな。
あ、もう抱きしめてる。
よしカメラ。
カシャッ
「なっ!ハリーお前撮ったな⁈」
「うん☆じゃぁ僕リビングに居るから着替えて出ておいでね♪」
「じゃぁヒナ、俺も着替えたらリビング行くから。」
「はぁーい」
僕と一緒に部屋を出るヒビヤくん。
「一緒の部屋なんじゃなかったの?」
「寝るとき限定だよ。それよりデータ消せよ」
「えーそれが人にものを頼む態度かな?」
なんて昨日の僕が言えたことじゃないけど。
「け…消してください」
「そんなこと言ったって消さないよー?」
「ハリーてめぇ!」
「アハハ、そういえばヒナちゃん二度寝はしないの?」
「俺が横に居ないとしないよ」
「へぇー」
「ニヤニヤすんなっ!」
「じゃぁ早く着替えておいでよ」
あー面白い。ヒビヤくんからかうの面白いなぁ。
「あっ、ハリー、おはよぉ」
「おはよ、ミオン」
「なぁハリー。こいつら起きねぇ」
「ハリー、トワの横の人だぁれ?」
「あとでトワちゃんが紹介してくれるよ
おぉーいトワちゃーん。シュンタローくーん。写真撮っちゃうよー?」
なんて言いつつ撮る。
さてもう一枚撮ろうかな?…あ、カメラ越しにトワちゃんと目が合っちゃった。
「なっ、ハリーサンマジで撮ったんですか⁉︎」
「まぁまぁ。後でヒビヤくんとヒナちゃんのあげるから」
「えっ…うーん。絶対ですよ?」
「うん♪メールで送っとくよ」
「はっ⁈ケイが男とメール?まさかうわ「黙ってください」
ガチャ、とリビングのドアが開きヒビヤくんとヒナちゃんが入ってくる。
「タツミさん、ミオンさんおはよーです!」
「団長、ミオン、はよ」
「ヒビヤ、ヒナ、おはよぉ」
「2人ともおはよう」
「トワ姉はよ」
「トワお姉ちゃんおはよ」
「おはよーございます!ヒビヤサンヒナサン」
「修也、千奈、俺はスルー⁈」
「アーオハヨー」
ヒビヤくん棒読み…
「皆起きたか?飯にするぞ」
皆が席に着く。
「「「「「「「いただきます」」」」」」」
「…さっきから気になっていたんだがお前誰だ?」
「えっ、昨日自己紹介したじゃん」
「…会ったのか?」
「…」
落ち込むシュンタローくん。
「ほら、ミオンも居るしさ、もう一回自己紹介しとこーよ」
「俺緑川俊太郎です。
…ケイのか「私と同い年でーす☆人見知りですが頭だけはいいので勉強教えてもらえますよ!」
「ケイ…頭だけって何?しかも最後まで言わせろよ」
「団長サン、これ美味しいですねー。自家製ですか?」
「あぁ」
「待てよ俺名前知らない人2人も居んだけど!」
「あぁ…すまんな。俺はタツミ。」
「男?てか昨日の人とそっくりだな」
「は?昨日の人?」
「タツミは女で昨日の人と同一人物だよ」
「ふーん…そっちの人は?」
シュンタローくん昨日みたいに噛まないかな。つまんないよ。
「あぁああぁの、わゎわたしっ、ミオンでしゅ…」
「おぉ、おお俺はしゅんたりょーでしゅ」
噛み噛みコンビだね。つられちゃったのかな、シュンタローくん
「しゅんたりょー?」
「…シュンタローです」
「よろしく」
「よよょ、よろしくですぅ…」
人見知りコンビ無事和解。
「ほら皆とっとと食え。」
「ごちそーさま!」
相変わらずタツミは食べるの早いなぁ。それを真似てたら僕も食べるの早くなっちゃったよ。
「タツミ今日曲聴こうね」
「そうだな。皆が食べ終わって食器を片付けてから聴くよ」
「あ、団長サン!私やってます」
「トワ。すまんな」
「いえ、ここに居させてもらってるんですからこれくらいしないとですよ!」
「じゃぁ頼むな」
「はい!」
「おいハリー。何ボサッとしてる。行くぞ」
「あ、待ってよ!」
僕を置いてスタスタと歩き出すタツミを慌てて追いかける。
「とっとと聴かせろ。それと作文出せ」
「はい!」
昨日慌てて書いた作文。なんとか書けたよ。作文とノートとシャーペン、曲の入ったスマホを持ってタツミの部屋にいく。
「タツミ、イヤホン」
「ん」
そういえばタツミって何かしてるときはいつも音楽聴いてるよねぇ。タツミがいつもしているワインレッドのイヤホン。僕があげたんだよねぇ。気に入ってもらえてよかったよ。
「これは誰の曲だ?」
「これはタツミだよ。はいノートとシャーペン。」
「ん。」
受け取ると同時にノートに文字が書かれていく。
忘れないうちに書きたいのかなぁ。それは曲と一緒だねぇ。
「書けた。次、ハリーのだよな?」
「うん。もう作文読んだの?」
「あぁ。ほらとっとと聴かせろ」
「はいはい」
すごいうずうずしてるのがよくわかる。タツミは僕の曲を聴くときうずうずし出すよね。嬉しいなぁ
「次、ミオンのか?」
「うんそーだよ…ってえ⁉︎早くない⁈」
「あ?そーか?まぁいいから聴かせろよ」
「はーい」