「誰か入って来た…?」
2人でリビングに降り確認する事に。
「…せーので入りますよ?」
「うん」
「せーのっ!」
バァン!リビングの扉を開け放し中を見る。
「誰ですかっ⁉︎」
「はっ⁉︎その声はケイだなぁ‼︎」
「えぇ⁉︎シュンタロー⁉︎」
侵入者はトワちゃんに飛びつく。
…あ、目が合った。
黄緑の髪に山吹色の瞳。もしかしてこれがトワちゃんの好きな人⁉︎
「…ケイ、この人誰?」
ジトッとした目で僕を見る。
「この人「ケイ…まさか浮気⁈」
「まず付き合ってないでしょうが」
「じゃぁ彼氏⁉︎」
「今日初めて会ったとこです。てゆーかなんでココがわかったんですか⁉︎」
「え、なんでって愛の力」
「ふざけんなよ」
「すみません。恋人探索アプリを改良しました」
「警察にマジで訴えたい…」
「ゴメン!ケイごめん…許して、ね?」
「うっ…
そうだハリーサン紹介しなきゃですね‼︎」
「僕はハリーだよ!」
「…が、外人?」
「日本人です。」
「ぉぉお、俺は緑川 しゅ、俊太郎(ミドリカワ シュンタロウ)でしゅ。」
「トワちゃんとはバンドメンバーなだけだよ!誤解しないで?それと…人見知り?」
「私と知らない人が居ても、私に話す時は普通なんですよね〜」
「バ…ンド?そんなの…認めない!」
「ヒビヤサンも居るからいいじゃないですか」
「ヒビヤ?」
「シュウヤサンです」
「あぁ。修也とハリー以外に男は?」
「居ません」
やだこの人怖い。
「〜?こお…コウ…?…何処?こおぉ…」
あれ、つぼみの声かな?
ガチャ
「こお?…あ、こお…ここに居たんだ。起きた時…1人らったから、怖かった…」
半泣きになりながらつぼみが僕の服の裾を掴む。
「もお、1人にしないれ…」
「うんわかった」
僕がそう答えればふにゃりと笑った。
(え、何何何何何⁉︎可愛い何この生物‼︎こんなに可愛い生き物がこの世に存在してていいの⁈)
寝起きだからかトロンとした瞳。上手く回ってない舌。ヤバイヤバイヤバイヤバイ…皆居るからね。周りに人居るから。抑える抑える…ダメ、理性マジ飛びそう。
「ぉぉおお俺緑川俊太郎です。はっ、ケイ噛まなかったぞ!」
「じゃぁ最初の大量のおを無くしましょう」
つぼみはそっと僕の後ろに隠れる。
「ふーん」
「え、ふ、ふーん…?」
「こお、喉乾いた…」
「うん、わかった。じゃぁお茶飲んでから部屋に帰ろ」
お茶をコップに入れて渡す。
「ぁ」
「うぉっ…と、危ない」
つぼみが落としかけたコップをなんとかキャッチ。
「大丈夫?まだ熱あるんだね」
「もう熱無い。今のは…手が滑った」
「ホントに?じゃぁ全力で僕の手握ってみてよ」
無言でつぼみは僕の手を握る。え、弱いね。
「ふぅ」
「今の全力?やっぱりまだ熱あるんだよ!」
「ない」
コツン、とつぼみのおでこに僕のおでこを当てる。
少し屈まなきゃ行けないこの身長差が嬉しい。前まで逆だったもんなぁ。
「熱いよ。37度9分ってとこかな?」
「…」
「ほらお茶飲も?」
「うん。…飲ませて、くれるの?」
「だってつぼみコップ持てないじゃん」
「そう、だけど…」
あ、もしかして
「薬の時みたいにしないかなって?」
僕が聞くとつぼみは顔を赤くして俯く。
ヤバイ可愛い。
「大丈夫だよ、しないよ」
「…ぅ………………も……ょ」
「ん?なんて?」
僕の服の裾を握り締めながらつぼみは呟く。
「こおだったら、しても…ぃぃょ」
最後の方は小さかったけど、しっかり聞こえた。
次は僕が赤くなる。
「え、つぼみ…なんて?」
「…コウならいい…よ」
「え…」
「コウは、嫌?」
「嫌じゃないよ‼︎
…じゃぁ、部屋でお茶飲もっか」
耳元で囁くと顔を更に真っ赤にしてコクンと頷いた。トワちゃんとシュンタローくんが覗いてるからね、可愛いつぼみは僕だけが見るんだよ。
つぼみの背中を押しながらお茶の入ったコップを持って部屋に戻る。
「あの人、誰?」
「トワちゃんの好きな人だよ」
「へぇ」
眠いのか目をこすりながら歩くつぼみ。
「こぉ…喉乾いた」
「じゃぁお茶飲もうね。
理性飛んでもいい?」
「…?」
首を傾げるつぼみに僕は苦笑い。
「薬の時みたいにちょっと…色々としちゃうかもだけどいい?」
「ふぇ…」
少し考えてるつぼみ。
「い、いよ…」
「じゃあ、いくよ」
コップに入ってるお茶を口に含んで、そのままつぼみの唇へ。
お茶をこぼさないようにしながら舌でつぼみの唇をこじ開ける。
(柔らかいし美味しいし可愛いなぁ)
お茶を流し込んで、つぼみが飲み込んだのを確認してから離そうとする。
「んっ⁉︎」
つぼみが僕の唇にまた自分の唇を重ねる。
「まら…離さないれ(まだ…離さないで)」
もうダメですさよなら理性。ロケットに乗って理性が旅立って行く。
「んっ‼︎…はっ…」
つぼみの甘い声。ヤバイ最後までしたい。
奥に引っ込んだつぼみの舌を絡め取る。
「ふぅっ、んっ、はっ、こぉ…」
一旦唇を離す。
「ねぇつぼみ…喰べていい?僕お腹空いた…」
「えっ…喰べる…の?」
「うん」
つぼみのパジャマの中に手を入れるとつぼみが慌てて僕の手を抑える。
「ひぁっ、こおに風邪…うつっちゃう」
(あ、今つぼみ熱あるんだった…)
「そっか。そうだった…」
「おや、すみ…」
「おやすみつぼみ。僕はやることあるから戻るね」
そう言って頭を撫ぜる。名残惜しいけど行かなきゃ。
「待っ、て」
けど手を握られる。
可愛い何この子
「私が寝るまででいいから…側に居て?」
ズッキューン‼︎‼︎‼︎
ハート射抜かれた…何個目の穴だこれ。だって、上目遣いだよっ⁉︎可愛すぎるってマジで
「うん、居るよ。次は起きた時にも居るようにするね」
「わぁ…うん‼︎」
笑うつぼみ。うわぁ、昔はこうやってよく笑ってたのに最近は見てなかったなぁ。可愛い
「おやすみ」
「コウ、おやすみ」
そっと目を閉じる。
まつ毛長いなぁ。肌白いし綺麗だなぁ。
(危ない危ない。さっき思いっきり飛んだぞ。つぼみパワーで帰ってきたけど…)
規則正しい寝息が聞こえてくる。
(よし、ちゃっちゃっとやること終わらしてつぼみの側に戻ってこよう)
「ちょっとだけ、待っててね」
つぼみのおでこにキスするとカシャッという音がした。
「うわっ、音消すの忘れてました!」
「何やってんだよ早く戻るよ」
「…何してんの?」
僕が後ろから声をかければビクッと肩を揺らす2人。少し低めの声で話す。
「いつから居たの?」
「団長サンが側に居てって言ったとこからです…」
「その前は?」
「見てないです…」
「カシャッっていう音は何?」
「カメラで…ハリーサンが団長サンにキスしてるとこ撮りました…」
「シュンタローくんは?」
「りょくおんでしゅ…(録音です)」
「今すぐデータ、消すか…自分が消されるかどっちがい〜い?選ばせてあげるよ♪」
「私はデータ消します!」
「おりぇも…(俺も)」
「よろしい
さ、部屋戻ろっか♪」
いつもの声で話すと2人はほっと息をついていた。