・・・・・・あ。
「おーい!佐々木さーん!」
日向が大声で”佐々木さん”を呼ぶ。
ふわふわした長い髪、遠くからでも可愛いと分かるルックス、夏なのに汗一つかいていない、女の子ってこういう子のこと言うんだろうな。
・・・日向、こんな可愛い子と知り合いだったんだ。
別に、私には関係ないけど。
向こうもこちらに気づいたようで、笑顔でこちらに寄ってきた。
「風見くん!」
寄ってきた彼女と目が合った。
あ、なんか気まずい。
「あれ?もしかして彼女さん?」
ふわふわの彼女が首を傾げながら問う。
可愛いな、モデルさんみたい。
「いや違いますけど。」
「千夏、そんな全力で否定するなよ・・・。」
「事実でしょーが。」
勘違いされたら困る。
ていうか、あんたのほうが困るくせに。
「あ、違うのかぁ!びっくりしたぁ!」
安心したのか、嬉しそうに笑う佐々木さん。
あ、そういうことか。