『こんなきれーな名前、うる以外いないよ?』
ってね。
ちいさいくせに、洒落たこと言うなあ。そんなこと思っちゃうけれど。
でもね、あの頃の私にはこれ以上の言葉も、これ以下の言葉もなかったんだ
ありがとう。
今思っても、仕方ないけどね。
さてと、この二年後の話もしようかな。
いきなりだな、おい。とか思わないでよ?
私にとって、とてつもなく寂しかった話。
聴いててくれると嬉しいんだ。
あの時の涙は、今の幸せみたいなものかもしれない。
すこしだけキツい坂道と、緑が綺麗なあの場所で、
私が流した悲しい涙と、
君の流した優しい涙。
言われる前から勘づいてたのかもね。
涙を流しながら告げられる、君の口から出てくる別れの言葉に。
『あのね、うる、あのね、今日でばいばいなんだ。』
これだけしか言わないの?