あの時は若かったのかもしれないなあ。

大好きだった『璃斗ちゃん』とのお別れが。

『あのね、うるちゃん。あのね、』

この言葉を言われる二年前。私たちは出会った。

だから、四歳の時かな?

私たちは家が近くて、姉妹みたいに仲が良かったんだ。

どこに行くときも一緒で、お揃いの鞄を持って保育園に通って。

磁石みたいな感じだったね。

璃斗ちゃんも私も、ただ毎日が楽しかったんだ。

いつか私がいじめられたとき、

『うるなんて、へーんななまえー!!』

私だって自分の名前が嫌だったんだ。潤なんて名前。

ふつーに読んだら じゅん なのに、何故か うる。

この時の私は弱虫で。

何も言い返せなかったんだよなあ。

今だったら言えるんだけれど。

でも璃斗ちゃんが言ってくれたあの言葉。

今でも覚えてるよ。