『ただいまー』
また家か。
学校が楽しい。そんなフリしないといけない。
家族にまで自分を偽るの疲れてきた。
『…おかえり。』
ほら、素っ気ない返事。
自分の帰る場所なのに、そうじゃない感じしかしない。
もともと、兄ばかり可愛がられてる。私なんて、可愛がられてないんだ。
私の兄。『齊藤裕磨』
面白いし、優しい。
勉強はふつーだけれど、人気がある私の『兄』
親戚からも沢山好かれてる。
それを思いしるたび、自分の存在意義がない事に嫌気がさしてくる。
親だって、私と兄じゃ構い方が違かった。
冷たく、素っ気なく、興味のないような振る舞い方。
『…早く手洗って、ご飯食べちゃいなさいよ。』