次の日、私はいつものように
登校時間ギリギリに起床した。



眠い目を擦りながら、着替えていると
部屋の扉が開いた。





「おい、雪菜。お前遅刻
決定だぞー…、あ。」



「あ。」





私は一気に目が覚めた。


だって着替え中だよ?!
制服のスカートはいてないんだよ?!


Yシャツだってボタン止め途中で
スッゴーく中途半端何だよ?!





「何、どした?早く着替えろよ。」



「なっ…!!…出て行ってくーだーさー
いー!!き・が・え・ちゅ・う!!!!」




「はいはい、出ていってー。」と
拓也さんの背中を押して無理矢理
部屋から出した。






***





無事に着替えおわり、髪の毛も
ブラッシングし、部屋から出ると
拓也さんが待っていた。




「お前、もう完璧遅刻。
どーすんの。」



「えっ、…えーもういいや。
マイペースにいくよ。」



「ったく。ほら朝食。」






今日の朝食は1人。
ママとパパはお仕事で2人
で海外行ってるから。


専属シェフが作ってくれた
私の大好きなエッグベネディクトが
今日の朝食メニュー。


このとろっとした黄身が
濃厚で本当に最高。




食べ終え、身なりを整え
拓也さんと家を出る。




「学校側には連絡しといた。」


「ありがと。」




専用車に乗ると、すぐに車が
出発した。



(はぁ、眠い…。)



学校にもう少しで着くって
いう時に、私はあることを思い出した。


それは、桑田君の事。


きっと、いや絶対桑田君は
私の事彼女(仮)だと思ってる。



(そう言えば、桑田君…。言ってた。
私が本当に愛したいって思う人が
出来たら、桑田君は引くって。)




だから、桑田君に言うのは
辛いけど、拓也さんが好きだから
桑田君とは(仮)付き合えないって。



桑田君のためにも、はっきりと
そう言うしか方法は無さそう。




絶対言わなきゃ。
よし、言う!!!!





「お嬢様着きましたよ。」


「あ、ありがと、運転手さん。」





私は、車から降り、拓也さんに
見送られ校舎へと入った。







***




教室へ入ると、運良く10分
休みで、すんなり入れた。



…と思えば。



私の席には、高ちゃんが
座ってた。




「おーう、今藤。今日はいちだんと
遅いなぁ~。あははっ。」




(ひっ!!やばい!!)




う~…。
ならば、私の必殺技、逃げる!!!!




「あ、おいっ!!待てこらぁっ!!
今藤のくせに生意気なっ!!」



「何ですって?!高ちゃんの
くせにな・ま・い・きー!!!!」



「何だと!!俺教師なのに!!
今藤より全然先輩なのに!!!!」





あはは。お腹痛い!!!!
高ちゃんとのこのやり取り
本当に飽きないっ。


笑いが堪えず、走りが遅くなった時、
ガシッと音が聞こえそうな勢いで
高ちゃんに捕まってしまった。





「はぁ、はぁ、捕まえたぜ…。
すばしっこい子猫だ。ったく。」





そして連れて来られた会議室。




「んで、何か電話で男がな今藤は
遅れるつってきたんだ。執事?とか言って
たな、確か…」



「ふーん。」



「おいっ。何だその反応はっ!
…それより、お前今日は最後まで
授業受けるだろ?」




「うん。そのつもり。」





あ…ヤバイ…。手伝わされる。
この怪しい笑みは、何かを
企んでる…絶対…。




「…分かってるよな?」



「はいはい。どうせ資料作りの
手伝いでしょ。手伝い。」



「あぁ、そうだ。
んじゃ、放課後残れな。」





ため息まじりの返事をし、私は
会議室を出ていった。


教室へ戻ると、由香と皐月が
駆け寄ってきた。


心配してくれてた見たいで。
桑田君の事で迷惑をかけたくなくて
私は笑顔で対応した。