目を開けると、私はベッドに
寝ていた。
隣には、拓也さんも寝ていた。
「あれ?これ前にもあった。
誰か隣に寝てて…?…いたた。
頭痛い…。」
頭の痛みで横になる。
布団が凄くふわふわで
温かくて気持ちがいい。
けど、隣を向けば、拓也さんがいる。
車の中で寝ちゃった私を部屋まで
運んでくれて、つられて拓也さんも
寝ちゃったんだと思う。
(ドキドキ止まんないよ…。)
ヤバイ…。
心臓破裂しそう…。
鼓動が痛いくらいだよ…。
この音、拓也さんに
聞こえちゃうかな…?
ゆっくりと横を向くと、そこには
やはり、規則正しい寝息を
たてた拓也さんが気持ち良さそう
に寝ている。
(……かっこいい…。)
スラッとした鼻筋。
綺麗な肌。
少し金髪っぽい茶色。
これが純がつく日本人には到底見えない。
(まつ毛…長いな…。)
ていうか、私拓也さんの事
何かいろいろ知ってる。
会ってまだ間もないのに
何でこんなに知ってるんだろう…?
「…はっ?!まさか…私自分で
気付いてないだけで、ストーカー…?
…やだやだやだ!!!!ストーカー何かじゃ
ないっ!!私、何にも知らない!!!!」
「うるさ、声でけぇよ。
てか何?ストーカーって。」
隣を見れば、意地悪く笑う
拓也さんがいた。
(起こしてしまったぁ…!!!!)
「俺の事ストーカーしてるって?
あはは、それ全然ちげぇし。
思い出せば全部分かる事だ。」
「思い出す…?」
「いや。何でもねぇよ。
てかもうちょっと寝ようぜ?
俺マジ寝みんだけど…」
私の頭をポムポムして布団を
かけて拓也さんはまた眠り
についてしまった。
「…雪菜も一緒に寝よーぜ…」
眠そうな声色で、そう言うと
私の腕を引っ張って、拓也さんの
方へ私を引き寄せた。
(わ…近い近い近いっっ!!!!!!)
心臓壊れる…。
あ…。懐かしい匂い…。
この香り…私、知ってる。
私の好きな匂い…。
安心する…。
拓也さんからはもう既に
寝息が聞こえてくる。
(疲れてるんだ…。)
私は、拓也さんに抱き締められたまま
眠りについた。