次の日、お医者さんから退院OK
がでたから、私は学校に行く
準備をしていた。
「雪菜、ママとパパは雪菜の荷物家に
持っていくからね。」
「あ、ほんと?ありがとママ。」
準備が終わり、お医者さんと看護師さん
にお礼を言って病院を出た。
(気持ちいいな…外って…。)
久しぶりの外で私のテンションはMAX。
はしゃいでいると、私の専用車が
止まっているのに気が付いた。
そこには、意外な人物もいて。
「拓也さん…?」
私に気付いた拓也さんはスタスタと
私の方へ歩み寄ってきた。
「雪菜。学校、遅れるぞ。」
「…拓也さんって、私の執事
だったんだね…。」
「まぁな。」
何だ~…。
てっきり由香と皐月の
友達かと…。勘違いだった…。
最近、私の執事役として
来てくれたのかな…?
でも、これで拓也さんとは、
ずっと一緒にいられるんだよね…?
だったら、すごくいいかも。
…って、こんなこと考える
私って気持ち悪い!!!!
ダメダメ!!!!
自分を気持ち悪く思いながら
私は、専用車に乗り込んだ。
「うわぁ…この座り心地、久しぶり…
運転手さん!!今日はゆっくりめで
お願いしまーす!!!!」
このふわふわした座り心地は
気持ちいいもんね。
運転手さんもプロだから乗ってて
気持ちいいし。
それより、拓也さんっていつ頃
執事に就いてくれたのかな?
私が入院中何だろうけど…。
「ねぇ、拓也さんっ!……」
拓也さんの方を見ると、拓也さんは
私の事をとてもいとおしそうに見ていた。
(どうして、そんな優しい顔するの?)
私、変なんだよ。
ちょっとした事で、ドキドキする…。
拓也さんは、優しく私の髪の毛
を耳にかけた。
拓也さんの指があたって
少しくすぐったい…。
「…どうしたら…思い出してくれる…?」
ふと呟いた拓也さんの声はとても
小さく、私には聞き取れなかった。
拓也さん、優しい顔で私を見てるけど
どこか悲しげな顔してる…。
「拓…「お嬢様、着きましたよ。」
拓也さんの名前を呼び掛けた所で
運転手さんの声で遮られてしまった。
拓也さんが、外から車
の扉を開けてくれる。
「行ってらっしゃいませ。お嬢様。」
「うん…。行ってくるね…。」
私は、専用車から降りて、
校舎へと向かった。