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さっきたっくんに言われた
言葉が頭から離れない。





『いつも可愛いけど、今日は
特別可愛いよ。』






その言葉が頭の中で何回も
リピートされる。



それを言われてから、顔の火照りと
にやけが止まらないよ…。




(たっくん分かっててやってる…。)







ダンスホールに着くと、既に
桑田君は置かれている食べ物を
口にしているようで。



美味しそうに食べる桑田君は
本当に純粋な子に見えた。






(はぁ…何か気まずいな…。)






「雪菜。俺は食事運んだりとか、仕事
あっから、行ってくるわ。
大丈夫だからな。」




そう言って、優しく頭を撫でて
くれるたっくんは、私を安心させて
くれるかのような……そんな感じがした。






「うん。ありがと。」





精一杯の笑顔でこたえる私。




(なんで…泣きそうになってんだろ…)





たっくんといると、自然と
何か泣けてくるんだ…。


どうしてかな…?





きっと、知らない間に、心のどこか
で、たっくんがまた私を置いて
どこかへ行っちゃうんじゃないかって
思ってるんだろうな…。



もう、私を置いて行かないで。
ずっと傍にいてよって思ってるんだ。





「大丈夫、雪菜。俺はどこにも
行かない。ずっと傍にいる。な?」




たっくんには、お見通しだったんだ。

その言葉…信じてもいい?
もうどこにも行かないで?





「うん。約束…だよ?」



「あぁ。」






一気に心に明かりが灯った
感じがした。









たっくんが、仕事で私のもとを
離れたとき、ママが私を呼んだ。



ママの所には、パパと背の高い男の人
と綺麗な女の人がいた。




ママの方へ行ってみると、





「雪菜、この方が、荒澤財閥の社長
さんとその奥様よ。」





「…今藤雪菜です…よろしく
お願いします…。」





挨拶をして、2人を見れば、
荒澤財閥の奥様の笑顔がどこか
見たことのあるような感じがした。




少し、目が青くて透き通って
いる感じがどこか…たっくんに
似ていると思った。




(ま、似てる人何てたくさんいるし。)




てか、たっくんの両親は
離婚したみたいだしね…。


あるわけないか…。





(社長さんの方は、随分と
優しそうな人だな…。)





「雪菜、もうすぐでダンス
が始まる時間ね。」




にこやかに言うママは、とても
ワクワクしているようで、
どうやらテンションが高いみたい。



ママがそう言ったすぐに
ダンスが始まる放送が入る。



どうやら、荒澤財閥の社長さんと奥様は
ダンスを踊るみたいで。






(ダンスは見てようかな…。)





こういうお嬢様、お坊っちゃまは
ダンスパーティーとかは当たり前。


小さい頃から、ダンスのレッスンは
受けてきた。ほんのたまにダンスの
練習はするけど、最近は全然
ダンスのレッスンしてないや…。



今度、しようかな…。






そんな事を考えていたら、





「俺と踊って頂けませんか?」





後ろから、誰かに声をかけられた。