思考がショートした。
私の恋人だった人が

ー男の人と結婚する。ー


今すぐ手を引っ張って
どこか知らない土地へ行ってしまいたくなった


そんな事出来るほどの度胸もなく
もし、
今でも好きだと

わすれられなかったと
あの時はごめんと
言いたかった。
でも言葉が出なかった
その言葉を言ったら困らせてしまう。


もし、万外一私のところに戻ってきてくれたとしても。
その男の人より私が幸せに出来る自信なんて何一つなく。



ああ、付き合ってた頃みたいに
形振り構わずいれたら良かったのに


でももうわたし達は
お互い知らないことが沢山増える度

意気地なしの大人になっていってしまった


“…そっか!おめでとう”

下手くそな芝居。
中学の時ソフトテニス部じゃなくて
演劇部に入れば良かった。



「……でも結局当たって砕けることすらカフェでは、できなかったんです」





“……もう日が落ちたね。”


「カフェの窓から差す夕日を見てまぶしそうに目を細めていたあの子を私は今も覚えています。……それからわたし達は会計を済ませ外に出ました。」




“久しぶりにここのカフェに来たよ”

懐かしそうに何かを振り返るかのように。

あの子は言った


“あの頃よりいろんなメニューが出て。あの頃あったメニューがなくなってるね。”



「……まるであの時のあの子は何かを振り返って何かとのケジメをつけているようでした。それが嫌で。」





“……りょーちゃん。”








「久しぶりに。名前を呼びました」


「……あの子は少しびっくりしたような顔を一瞬しました。」





“……ん??”



昔と変わらない、笑うときに出る私の好きなエクボでした。






“……後悔してた。”


あの子の裾を掴みながら勇気を出していった




「……あの子は何も言ってくれませんでした。」



“……あの時に、あんなことしか言えなくてごめんね。”




あの子はしばらくしたあとに口を開いた





“私は、後悔してない。”