「私は、その時に当たって砕けてしまおうかとおもいました。」


3年間。
なんだかんだ
引きずってしまって

すぐに謝ればまた付き合えたかもしれないのに

未練がましく引っ込み思案な私は
何も出来ず、することもせず。

なにより。
同性と付き合う覚悟がなかった。
だから、
自分でも中途半端だとわかっていたから
後悔はしなかった
こんな気持ちであれからも付き合っていても
あれ以上あの子を傷付けてしまっていたのかもしれない。

だから、あの時別れて正解だったんだって
そう思っていた


なのに街の中であの子をチラチラと無意識に探してしまっていた。


そして、別れて三年後
たまたま。出会えた。


もう外見は全然違うけど
話していたら
性格は前とあまり変わっていなかった。



“…元気だった?”

そう私が言うと
目線を逸らしながら


“うん。元気だったよ。”


“…さっきの人、彼氏さん?”


そんな質問をしたあとにすぐに後悔した。
ああ、聞きたくないことをわざわざ自分から聞いてしまった


“…うん”


一気に泣きそうになって、
初めて心の底から後悔した。
ああ、こんなにも好きだったんだ。
もっと早く気づきたかったな
そう思っても時間は戻ることもなく


“…そっか。優しそうな人と付き合えてよかったね。お似合いだよ!”

…嘘。
お似合いなんて思ってないくせに
馬鹿みたいなお世辞を
作り笑いで言った



“ありがとう。…実は…”



そうあの子は言いにくそうな顔をしだして
私の脳内では既に
聞きたくないとそんな信号がでていて。
でも聞かなかったら一生後悔してしまう気がして

だから、あの時の私は
痛いくらいに自分手を握り締めて
聞こうと思った。

“えー?何何ー?気になるー!”
無理に明るく振舞ってるのに
馬鹿みたいな作り笑顔に
気付いて欲しいと
そんなささやかな願いは
届くことなんてなかった。




























“結婚するの”