街はもうジメジメした梅雨を超えて
夏に。

個人的には夏より梅雨の方がまだましだなあ。

夏って
だって
恋の季節と言っても過言ではないよね。

ほら、周りを見てみると初々しいカップルばっか



別にダメってわけではないんだけどさ?


昔を思い出すからすごく嫌だなー。


8年前の私もきっと。
炎天下の暑い季節に頭がくらんでしまって
つい、ウッカリ。
そう、きっと、絶対うっかりしていて

あんな恋をしてしまったんだ。

目的地につくと
軽く深呼吸をして扉をあけた


ーーーーガチャッ

「いらっしゃいませ。」


「予約していた、草野百未です。」


「お待ちしていました、どうぞ、こちらへ」


手招きされるがまま私は汗をタオルで拭きながら個室に入った。


普通に入ればただの古びた喫茶店さんなのに

個室に入ればそこは、病院によく似てた

真っ白な部屋に、優しそうなおじさんと。看護婦さん
そして怪しい椅子


「お待ちしてました。」


深々とお辞儀をされ、私も思わず深々とお辞儀をし
怪しい椅子を避け
普通の椅子に座った