「思い出は何の為にあるんでしょうか。」


それから3年間は
いつかいい思い出になると信じて
仕事も頑張って、彼氏も時々できて
傍からみたら
【充実した日々】を送っていた



「何年たってもあのことの思い出が消えることも、思い出す日が少なくなることもなかった」




でも、どうか責めないでほしい。
馬鹿な女って。
未練があるのにほかの人と付き合ってる事に関しても。


どうか。
どうか責めないで欲しい。


「私はクズな女です。何年も自分から傷つけた人を忘れられずに好きでいたんです。」


何回も忘れようとして
色んなことをした。
友達と旅行とか
興味のないスポーツクラブとか
優しい方とお付き合いとか
最初は付き合うつもりなんてなかった。

告白かれる度に
忘れられない人がいると。
だから付き合えないと。
そう言って何人も、何回も断ってきた


でも
“それでも、いいよ、幸せにする”


そんな甘い言葉につられて
付き合って
中途半端な私は
段々付き合ってた人に罪悪感が湧いて
別れてしまっての繰り返しだった。



「3年間、そんな日々を送っていました。……でも。あの子は私の脳裏にこびりついていました」




友達と映画にいっても。
彼氏とドライブしても。お泊りしても。


「付き合ってた頃の私とあの子が楽しそうに笑ってるんです。」


“ももちゃーん”

“何?りょーちゃん”


“べーつにー?”


“ふーん?”


“ももちゃーん”


“……”


“ももちゃーん!もーもーちゃーん!”



“もーなにー??しつこいー!”

“愛してるよー。”


“はいはい。”



“ももちゃんって照れるといつもした唇噛むよねー”


“噛んでません”


“今さっき噛んでたよー。”


“うっさい”



「映画館でもめたポップコーンの味決めも。泊まりの時に寒がりの私のために買ってくれた電気マットも、ドライブの時流す曲はいつも私優先で。ドライブの時の彼の雑な運転で最初酔ったことも。」



何もかも幸せだったのに
どうして
手放してしまったのだろう