「ねぇ、陸」


「…なに…?」



気づいたら話しかけていて…


頭の中では全く言いたいことがまとまってないのに話しかけていた。



「陸は…誰だかわからない全く知らない人を囮に使って生き残った。

それは私だって同じ」


「…っ。ごめ……」


「謝らないで…、罪は私だって同じ。

でもね、1つだけ言わせてよ…。


陸は例えどんな方法だとしても私のことを救ってくれた」



そう、これが私の言いたかったことだから…



「ありがとう……陸」



私は生き残らなければならないんだ。


今まで死んでいった人の分も…。

さっき死んでしまった人の分も……。


そして、私を救ってくれた陸のためにも…

海のためにも…


生きなければならな…………



「見ーつけたっ‼︎」



…い…のに…なんで……?いるの?