向こうから誰かが走ってくる。
小さな男の子。
あれ??
この子みたことある。

私の名前を呼んでいるのかな。

「れな…れな!」

はっと私は起きた。

「れな!遅刻するわよ!」

呼ばれているのは現実だった。


今日から高校一年生なのに遅刻するところだ。
用意をすませ、玄関の扉に手をかけた。

「れなー、忘れ物!」

そういいお母さんに渡されたのは制服のリボン。
危うく忘れていくところだった。

「お母さん、ありがとー!いってきます!」

元気に玄関を飛び出した。