新宿の街は、またいつもの活気を取り戻していた。
ジョンが、穏やかに晴れた空を仰ぎながら、付け足す様に言った。
「そういえば、これはNASAの局長に聞いた話なんだが……
ベタ星も、もともとはこの地球の様に空気の澄んだ星だったそうだ。
しかし、科学の急速な発展と共に何千年に渡って大気の汚染が進み、ベタ星人もその環境に対応した肺組織を持つ体になってしまった。つまり……『きれいな環境で生きられない体』になってしまったんだそうだ……」
「汚れたモノに慣れてしまうって、悲しい事ね……」
てぃーだが寂しそうな顔をして呟いた。
「地球に住んでいるのは、人間だけでは無いからね……もしかしたら、地球を侵略しているのは本当は人間自身なのかもしれないね……」
珍しく、シチローも真面目な事を語り出し、チャリパイの面々はそれぞれの思いを胸に秘めながら、沈みゆく夕日をじっと眺めていたのだった。
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