やがて、スタジオの辺りがガヤガヤと賑わしくなってきた。


そこへやって来たのは、スパンコールの輝きが眩しい、やたらと派手なコスチュームのバカデカイ女性達と、鶏の様な真っ赤なモヒカン頭の男やら、全身をゴールドに塗りたくった海パン男やらの、異様な姿をした男達の20人程のグループだった。


その様子を見たシチローが、心配そうな顔でてぃーだに尋ねる。


「ティダ……この人達はいったい……」


「え?…い、一応、芝居仲間に相談して誰か連れて来るように頼んだんだけど……どうやら、劇団のお客さんの“新宿二丁目のお店の人達とその愉快な仲間達”みたいね……」


バカデカイ女性と思っていたのは、新宿二丁目のオカマバーのママさんとその従業員らしい。
そして、異様な格好をした男達は、その芸風があまりにもキワドイ為に、特殊な場所での深夜枠でしか活躍の場が無い“アンダーグラウンド”の芸人達であった。


「さあ~♪張り切って行くわよ~みんな♪」


オカマバー『アマゾネス』のママが拳を振り上げて気合いを入れる。