「なんてムチャクチャな作戦なんだ!」


「シチロー!それじゃ、スタジオに入る事だって出来ないじゃない!」


ジョンやてぃーだが怒るのも当然である。
テレビ局の入口には、年季の入った守衛がいて、そこへ来る人間を鋭い目でチェックしているのだ。


通行証を持たないシチロー達をすんなり通してくれる筈が無い。


テレビ出演を、皆とは違った意味で強く切望していた子豚が、シチローに詰め寄った。


「シチロー!私の『月9』どうしてくれるのよ!」


「月9って……
ま…まあ、なんとかなるよ♪あんなのは、オドオドしてるから守衛に呼び止められるんだ♪
堂々と前を通れば通行証なんて要らないさ♪」


「顔パスって事?」


「そうそう♪関係者だから、通るのは当たり前みたいな顔してりゃあ大丈夫だよ♪」


そう言って余裕の表情を見せるシチローだが、果たしてそう上手くいくだろうか。