「確か、このベタ星人
“百人は捕まえた”って言ってたな……すると、あのUFOからは百人位降りて来たから、一万人位があのマユの餌食になってるのか……」


「そうだなシチロー……あれから時間が経っているから、被害はもっと拡大しているかもしれない。ニューヨークも心配だ……」


ジョンがCIAに連絡を入れてから、かれこれ一時間余りが経っていた。


アメリカ政府は、ニューヨーク中のコメディアンに声を掛け、一大コメディショーを開催してベタ星人撃退を試みるという事であった。


シチロー達は、ジョンと一緒にその結果報告を待っていたのである。


「シチロー、日本は何もやらないのか?さっきどこかに電話していただろう?」


「ダメダメ!まったく相手にして貰えなかったよ……CIAと、しがない探偵じゃあ信用の度合いが違うよ……」


シチローは無謀にも、首相官邸に電話したのだった。「総理を出せ」と言ったのだが、まったく取り合って貰えなかったのだ。


「仕方ないわね……アメリカが結果を出せば、日本政府も後を追うでしょう……」


てぃーだの言う通り、日本の…いや、人類の未来は全てこのアメリカの結果に懸かっているのだ。