地球とベタ星では、当然大気環境が異なる。
この大気環境の違いを克服する為に、ベタ星人は地球環境用呼吸補助装置なる物を開発し、地球へと乗り込んで来たのだが、これがとんだ欠陥品だったという訳だ。


「笑えない話ね……」


「それはシャレなのか?ティダ……」


何はともあれ、ベタ星人の突然死の原因は解明された。


「これは、思いがけない収穫だ!ベタ星人の弱点を、こんな所で発見出来るとは!」


ジョンは、この事実に興奮していた。
アメリカ空軍や自衛隊をもってしても歯が立たなかったベタ星人の弱点を、ようやく見つけ出す事が出来たのである。


「早速、本国にこの情報を伝えなければ!」


ジョンは、携帯でCIAのホットラインへとこの情報を流した。


「笑うと死んじゃうなんて、なんだか可哀想な気もするね……コブちゃん」


ひろきと子豚は、なんとも申し訳無さそうに、死んだベタ星人の横にしゃがみ込んでその顔を眺めていた。


二人でベタ星人の両手を胸の前で組ませると、合掌して念仏を唱えた。
そして、ひろきがベタ星人の大きな目を閉じさせようとしたが、ベタ星人には元々瞼が無かったので、それは叶わなかった。


かわりに、子豚がポケットから愛らしい子豚の柄のハンカチを取り出し、その顔の上に掛けてやった。