「大変だ!新宿が宇宙人に侵略されちゃうよ!」


テレビを観ていたひろきが、大袈裟に騒ぎ出した。


しかし、あながち大袈裟とも言えないだろう。
今、新宿の街には百人のベタ星人がそこかしこに徘徊しているのだ……
いつ、この森永探偵事務所のドアを開けて中に入ってこないとも知れない。


ジョンが真剣な顔でアドバイスをする。


「外にはベタ星人がウヨウヨいる筈だ!
みんな、事務所のドアに鍵を掛け、決して外へは出るんじゃないぞ!」


「そうだ!何があっても絶対にドアを開けるんじゃないぞ!」


シチローがそれに続いて、メンバーに念押しをする。


先程観たテレビの映像が、5人の脳裏をかすめた。


「あの白い“マユ”のような物は何だったの?」

てぃーだがジョンに、あのマユの正体を尋ねた。


「さぁ……あんな物は初めて見た……
もしかしたら、あれを使って人間を生け捕りにするつもりなのかもしれない……」


「生け捕りにして、どうしようっていうのよ!」


ヒステリックに子豚が叫んだ。


「う~ん……実験材料にでもするのか、それとも“保存食”にするつもりか……」


「ヒッ!ヒェ~!あたし達、食べられちゃうの~!」


子豚とひろきは、真っ青な顔で互いに抱き合っていた。