あれだけ大勢いた新宿のヤジ馬は、今やすっかり姿を消していた。


新宿の街にこれだけ人がいなくなったのは、前代未聞の事である。


今、新宿は宇宙人とそれを迎え撃つべく出動してきた自衛隊が互いに向かい合い、一触即発の様相を呈していた。


先に仕掛けたのは、陸上自衛隊の方だ。


横一例に並んだ狙撃隊がベタ星人に向かって、一斉射撃を開始した!



DA DA DA DA DA DA!



しかし、ベタ星人の方は余裕綽々である。
自衛隊の撃った弾丸は、おそらく特殊素材で出来ているであろう、ダースベーダーのコスチュームにことごとく弾き返されてしまった。


銃が全く通用せず、狙撃隊はたじろいだ。


そこへもって、今度はベタ星人が、ベルトの横に備え付けていた、短い棒状の物を右手に持って構えた。



ヴーウォンー!



「あっ!
レーザーサーベルだっ!」


青白く発光する剣を見て、テレビ越しにシチローが興奮して叫んだ。