「なんだよ……結局、本物の宇宙人は出ず終いかよ……テレビ欄の見出しに騙されたよ!」


シチローが不満そうに呟いた。


てぃーだは、そんな事を予想していたのか、冷静な顔で言った。


「考えてみれば、もしそんなビデオが入手されたら、もっと早くニュースなんかで報道される筈だものね……」


「なんだぁ…宇宙人はいないのかぁ……」


ひろきは先程の番組を観て、早くもそう結論づけてしまったようだ。


「いや!ひろき、宇宙はこれだけ広いんだから、きっと地球の他にも高い知能を持った生命体が、どこか他の星に存在してる筈だよ!」


宇宙人を信じているシチローは、真剣な顔で力説する。




「ワ~レ~ワ~レ~ハ~~ウチュ~ジンダ~~♪」



キッチンから、つまみの追加を持って帰って来た子豚が、片手で喉を叩きながら宇宙人のマネをしながら戻って来た。


「そうよ!ひろき、さっきテレビで言ってたでしょ!
アメリカは、内緒で宇宙人にUFOの作り方を教わってるって!」


「そうだよ!アメリカ政府は宇宙人と繋がってるんだ!」


意見の合ったシチローと子豚は、肩を組んで拳を振り上げた。


「今頃、大統領とポーカーでもしてるかもね♪」


真剣に宇宙人の存在を主張するシチローを茶化すように、てぃーだがそう言って笑った。