『円いUFOのどこが前か?』
というくだらない論争で、作戦会議は大幅に時間を費やしてしまった。


このままでは、らちがあかないので、大統領補佐官は違う方面から話を切り出す事にした。


「実は『核』を使ったらどうかという意見もあるのだが、諸君らはどう思うかね?」


補佐官の『核』という言葉を聞いて、一同は驚きの表情で椅子から立ち上がった!


「核だって!!」


「何を考えているんだ!」


皆の意見を代表して、参謀本部議長が見解を述べる。


「いいですか!
核なんて使用すれば、もし宇宙人を撃退出来たとしても、向こう10年は放射能でニューヨークは人間が住めない土地になりますよ……」


他の者もその意見に、当然だろうという顔で、一斉に大きく頷いた。


「いったい、どこの馬鹿だ!核なんて素人みたいな事を言う奴は♪」


「コミックや映画の見過ぎじゃないのか♪」


「まるで子供並みの脳ミソだな♪」


一同は、口々にそう言って、場内は大爆笑の渦に包まれた。



「ワ~ッハッハッハ~~~♪」











「言ったのは、私だが…ナニカ…?」


補佐官の横で一人だけ笑っていなかった大統領が、ポツリと呟いた。


「ハハ・・・・・・」



場内は一転して、重苦しい空気が辺りを支配していた……


こんな事で、人類の未来は守られるのだろうか。