俺が涙目でウルウルしていると、奥村さんがお茶を注いでくれた。どこまで優しいんですかーっ!!!


「何かあったら、すぐに言うといいよ。まだ俺もコッチにいると思うから」

奥村さんは、俺ら執事の前での一人称は“俺”なのだ。まぁ、それは俺らもだけど。
でも奥村さんが言うと何か違う。見た目からして、「俺」とか言いそうにないタイプだし。



俺はフッとさっきの事を思い出す。


「あの、奥村さん。さっきは申し訳ありませんでした」

「えっ?何が?」

「いや、あの…何と言いますか…。さっきお嬢様との会話を遮るような事をしてしまって…」


俺は箸を置いて、頭をテーブルに当たるぐらいまで下げた。