現在、涼くん家の玄関前。 …………到着してからかれこれ10分。 未だにチャイムを押せないでいる。 『俺ってヘタレ……?』 そんなことを思いつつ、チャイムに手を伸ばしては引っ込めるを繰り返す。 「あら、」 急に声が後ろから聞こえ、奏丞は手に持っていた鞄を落としかける。 『っ危ねー……涼くんの鞄落とすとこだった……』 ……というより………… 「誰ですか……?」