「…………逃げる?別に、そんなモノ…」 フイ、と奏丞から顔を逸らす。 「嘘。」 ぐい、と奏丞の方を無理矢理向かされる。 「涼くんは嘘つくとき、少し息止めるよね?今、少し止めたから嘘。」 そうだよ。 逃げたいものいっぱいあるよ? 君からも逃げたいんだ…… 「……………ぼ、僕、もう帰る……」 「李夜桜、怒るぞ…?」 「別にいいよ…」 奏丞の手を頬からはずすと、立ち上がる。