「涼くん!」



逃げ出したくて、逃げ出したくて、気付いたら屋上にいた。



気付いたら、息を切らした奏丞が後ろにいた………






「何しに来たの?」


僕自身、何でこんな声がでるのか分からないぐらい凄く冷たい声………



ガタンッ

無理矢理ドアを閉める音がしたから、帰ったんだと思った。












「なに、言ってんだよ」





思ったのに、奏丞は傍にいたんだ……









「僕、用事ないよ?」




そんなこと言う僕に、

「だろうな。」


なんて言って、隣に座る。




なにも言わない。
なにも聞かない。






そんな空間が今の僕には心地いい。