そんな涼を見て、奏丞は呆れたように言った。 聞こえてねぇの? 軽く人を馬鹿にしたように話すのは、奏丞の悪いクセ。 そんな風に言われて涼はイラつくはずなのに、何故か奏丞にはイラつかない。 『これは、僕の悪いクセだね…』 涼はそう思った。 本人には絶対言わないけれど、涼にとって奏丞は、何にもかえがたい親友なのだ。 『絶対言わないけどね…………』