「ねぇねぇ、万琴ぉ~つまんなぁ~い!なんか面白い遊びないのぉ~?」


あたしの真横にいる小学6年生くらいの少女があたしの横腹を突っつきながら話す。



『……』



「水零さん、その語尾に~と伸ばすのはやめていただけませんか。」


そして、さらに少女とは逆の横斜めにはびしっときめた執事服の男性が少女に向かって話し出す。


「えぇ~どうしてぇ~?これがアタシの話し方なの~影の方こそ、その敬語やめてよぉ~ただでさえ暑いのに堅苦しい喋り方イヤ」


「私のは癖みたいなものですから、直りませんよ。あなたはまだ子どもでしょう?ちゃんと直せる筈ですよ。」







『……さい…』


あたしを挟んで会話をする彼らに耐えきれず、言葉にするが、



「子ども扱いすんなぁっ!!影だってアタシとあんま変わらないじゃないぃ~!!」



少女の声で遮られる。




「はぁ、論点がずれてますよ?」


「うるさぁーいっ!!論点ってなんだぁー!!」







『…るさい』



「はぁ、これだから小学生は…論点とは、ですね、、、」



ダラダラ、長々と論点について話し出す執事男性。



だんだんとイライラが募る。




『お前らが一番うるさいわっ』



つい、歩道のド真ん中で叫んでしまった。



今あたしたちがいるここは、街中で


人も少なからずいる。



そんな中、叫んでしまったのだから


注目せざる終えないのだ。


しかも、1人で叫んでいるやつなら尚更。


注目しない方がおかしい。







そう。


1人。


他から見たらあたしは1人なんだ。


さっき喋ってた執事服の男性と小学生の少女は


他の奴には見えないんだ。



―――だって


彼たちは、


人間ではなく、


正真正銘の幽霊なのだから………。


周りから冷ややかな目、


冷たい目、


心配した目で見られる。



その視線に気づいた時、あたしの顔は、頭は血が上ったかのように熱くなった。


あたしはその場からすぐに立ち去る。


恥ずかしい…


なんであたしがこんな目に合わなきゃいけないんだ。







それもこれも全部……



『お前らのせいだっ!』


後ろを振り返ると、



そこには、笑いを隠せてない2人の姿がいた。



「…万琴さん、あなた、バカですね」



クスっとにこやかに笑うへっぽこ執事と、



「ふっはは…万琴ぉしっかりしなよぉ?他はみんなっ、アタシらのこと見えてないんだからさぁ~」













『誰のせいだよ…』



小学生みたいな身長の少女、水零(みれい)。



喋ってないけど、他にもいる。



この2人以外に4人くらい。



多い時で10人。



しかも一斉にあたしと会話してくるけど



一々相手してらんなくて、最近はみんなシカト。



そしたら、週に1回しか来ないやつも出てきた。