「ふふふ。いいわよ。使えるんでしょ?なら、良かったわ」


園長は柚の方へ振り返り、にっこりと笑った。
つられて柚も『……はい』とひきつりながら笑う。
この笑顔の意味は何なのか。
こんなに不規則な勤務形態で納得させる為に言ったのか?
花畑先生って何者なんだろうと柚は改めて考える。
園長と知り合いには違いないだろう。
でなければこんなに自由にさせる訳はない。
聞く?やめとく?
この二つが柚の頭をぐるぐる回る。


「あ、あのぉ……」


「もう少しね、このままみてやってくれないかしら?やりにくいのは分かってるのよ。柚先生には本当に迷惑をかけてます。でもね、お願いします。彼を育ててやって。色々と学ばなければならないと思うの。今だから。今。どうかお願いします」


深々と頭を下げる園長に、柚は慌ててその体を起こした。