梅雨の貴重な晴れ間を、ラベンダー荘は心から歓迎した。
たまった洗濯物と布団をまとめて外に干す。
「康孝さんも洗濯物あったら、ついでに洗っちゃいますから出してください」
私は昼食を済ませてリビングから出て行こうとした康孝に言った。
「なんて気が利く子だ。優子さんは良いお嫁さんになるよ」
「なに爺くさい事いってんだよ」
食べ終わった食器を流しで洗いながら信也が言う。
私は三回目の洗濯をしに席を立った。
すると玄関の戸を開くカラカラという音が聞こえてきた。
そして聞き覚えのある声。
「こんにちは。みんないる?」
声の持ち主は軽い足取りでリビングに入ってきた。
「かおり!」
私は嬉しさのあまり、ひょっこり顔を出したかおりに抱きついた。
「うわっ!かおり、なんで?」
信也も驚いた顔で、手に洗剤をつけたまま振り返る。
「もちろん、康孝さんと優子に会いに来たのよ」
私はかおりと手を重ねてにっこりと笑い合った。
「かおりちゃん、元気そうだね」
温かく見下ろす康孝の言葉に、かおりは照れくさそうにしながら一度うなずいて口を開く。
「康孝さんのおかげよ」
「ヤスタカサン ノ オカゲヨ」
信也がかおりの口調を真似ながら身体をくねくねさせた。
かおりが切れる前に、すかさず私は言葉をを挟む。
「かおり、アキラには会った?」
「アキラ、庭のベンチで寝てるみたいだったから、とりあえず先にこっちに来たの」
気づけばかおりの首には、アキラから投げ渡された、地球色のとんぼ玉が下げられていた。
わざわざ細い革ひもを買って、ネックレスにしたらしい。
「あいつ、すっかり俺の塗ったベンチが気に入ったらしくてさ」と少し自慢げな様子の信也に、あきれたような口調でかおりが続ける。
「やっぱり、あのベンチ信也が塗ったんだ。どおりでムラが―――」
たまった洗濯物と布団をまとめて外に干す。
「康孝さんも洗濯物あったら、ついでに洗っちゃいますから出してください」
私は昼食を済ませてリビングから出て行こうとした康孝に言った。
「なんて気が利く子だ。優子さんは良いお嫁さんになるよ」
「なに爺くさい事いってんだよ」
食べ終わった食器を流しで洗いながら信也が言う。
私は三回目の洗濯をしに席を立った。
すると玄関の戸を開くカラカラという音が聞こえてきた。
そして聞き覚えのある声。
「こんにちは。みんないる?」
声の持ち主は軽い足取りでリビングに入ってきた。
「かおり!」
私は嬉しさのあまり、ひょっこり顔を出したかおりに抱きついた。
「うわっ!かおり、なんで?」
信也も驚いた顔で、手に洗剤をつけたまま振り返る。
「もちろん、康孝さんと優子に会いに来たのよ」
私はかおりと手を重ねてにっこりと笑い合った。
「かおりちゃん、元気そうだね」
温かく見下ろす康孝の言葉に、かおりは照れくさそうにしながら一度うなずいて口を開く。
「康孝さんのおかげよ」
「ヤスタカサン ノ オカゲヨ」
信也がかおりの口調を真似ながら身体をくねくねさせた。
かおりが切れる前に、すかさず私は言葉をを挟む。
「かおり、アキラには会った?」
「アキラ、庭のベンチで寝てるみたいだったから、とりあえず先にこっちに来たの」
気づけばかおりの首には、アキラから投げ渡された、地球色のとんぼ玉が下げられていた。
わざわざ細い革ひもを買って、ネックレスにしたらしい。
「あいつ、すっかり俺の塗ったベンチが気に入ったらしくてさ」と少し自慢げな様子の信也に、あきれたような口調でかおりが続ける。
「やっぱり、あのベンチ信也が塗ったんだ。どおりでムラが―――」