まるい月が見えている。

 畳に敷いたふとんに仰向けに寝ていると、目を閉じているのに、そのまぶしさで月が見えるほどだった。

 昼間の気温がうそのように下がっていき、今は少し寒いくらいだ。

 ラベンダー荘でのはじめての夜。

 部屋自体から拒絶されているような気がして、落ち着かず、なかなか寝付けない。

 私はまぶたを開ける。

 月明かりに照らされた部屋の中。

 床も天井も、この部屋の匂いも、昨日まで体の一部だった部屋とはぜんぜん違う。

 一晩寝れば変わるだろうか。

 枕元の携帯を手探りで取り、時間を見れば0:28。

 本当に今日か明日の夜中に謎の一つに会えるのか。

 その謎は、私の探したいものに結びつくものなのか。