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ガサゴソとみんなが立てる音で目を覚ます。
見ると、ホームルームが終わる時間で、みんなは各自の荷物をまとめて帰る用意をしている。
…ヤッベ、こんなに寝てたんだ。
俺も早く片付けなければ…
と思ったが寝ていたから何も出していなく片付けるものはなかった。
「じゃ、今日はこれで終わりだ。
明日からもう授業が始まるから予習してくるように!ではさようなら」
担任が挨拶をし、ホームルームは終わった。
てか、授業もう明日からあんだな。
さすが進学校。
よし。俺も保健室に迎えにいくとするか。
鞄を持ち、教室を出ようとしたそのとき。
「ねぇ、玖川くん!…メアド…教えてくれないかなぁ?」
茶髪でパーマをかけた女の子らしい子だが、ちょっとぶりっ子が入った奴に話しかけられた。
「あー、僕、女とはメールしない主義なんだ。ごめんね?」
と、王子様スマイルで返した。
一応人前の時は一人称も“僕”にする。
「じゃ、用事あるから行くね?明日からよろしく」
めんどくさいから笑顔で挨拶をして教室を出る。
そこまでケバくはなかったが、ああいうぶりっ子は嫌い。
あんなやつに上目遣いされても気持ち悪いだけだ。
さっさと保健室に行こう。
またあんな女に絡まれたらめんどうだからな。