そのせいで言い寄ってくる女は後を絶たない。
でも寄ってくる女は、
俺の容姿や医者の息子ということだけをみてる。
それに、化粧はケバくて髪も染めすぎてバサバサ。おまけにハデなネイルもしてるような奴らばっかり。
最初はそんな女を1回やっては捨て、それを繰り返し、とっかえひっかえしてた。
だがそれもめんどくさくなったから、今はみんなに平等に接する。
作った笑顔をふりまいて。
もちろん誰からの告白もOKしない。
そんなみんなの王子様的存在でいることにしたんだ。
所詮、女はみんな同じ。
俺の容姿・肩書きしか見ない。
そう思っていた。
でも今日会ったあの女。
喘息で倒れている所を、俺が助けたのだが。
綺麗な漆黒の黒髪のストレートヘア。
クリんと大きく、澄んだ瞳。
プルんと潤った唇。
肌荒れひとつない、真っ白な肌。
そして、
他の女のように着飾る事なく清楚だった。
髪も染めてないし巻いてない。
爪も色を塗ったりしてなく、綺麗に磨かれているだけ。
化粧は多分していないし、すっぴんでもすごく綺麗。
あとは、
まっすぐと俺を見つめる、純粋で曇りのない瞳。
見るからに他の女とは違う彼女に、
俺は目を奪われた。