後ろから声がして振り向くと、
そこには顔はよくわからないけど男の人がいた。
よかった…
これで助かる…
「あっ、意識飛ばすなよ!喘息だろっ?吸入は?」
「ケホケホッ…きょ……しつ…ケホッ」
「教室か!?君、何組?」
「…C……」
「わかった!連れてってやる。」
そういうと彼は、ひょいとあたしをお姫様抱っこした。
「…えっ…?…ゲホゲホッ…お、ろして…」
「なに言ってんだよ、そんな体で。熱高いし。黙ってて。」
「は、はい…ゲホゲホッ…ケホッ…ゲホゲホゲホ…」
彼に強く言われたため、
あたしはしょうがなく素直に従うことにした。
それにしてもまた咳っ…
「…苦しっ……ゲホゲホッ…」
「苦しいよな。頑張れよ!俺も急ぐから!深呼吸して!」