今は校長挨拶…なんだけど。
それが…、長い。長い。
もうあたしは座ってるだけでも辛いから
早く終わってほしいのに。
────────以上です。」
「はぁ~……やっとおわった……」
思わず、本音を小声で漏らす。
すると前にいた愛ちゃんが急に振り向く。
「花華?ほんとに大丈夫…?なんか、息荒いよ?」
「うん…もうちょっとだし…がんばる…」
そのとき、
「それでは次に、新入生代表、玖川澪君。」
「はい。」
『『『キャ─────────ッ!!』』』
な、なにごと…っ!?
怠い体に甲高い声が突き刺さる。
必死に前を向くと背の高い黒髪の男子がいた。
周りからは、
「か、かっこいい…!」
「キャーッ!澪様~!!」
などと声が飛び交う。
でもあたしは意識も朦朧としていて顔もよく見えないから、かっこいいかもわからない。
前に座る愛ちゃんは興味はなさそうだが、
「へぇ~っ。ありゃイケメンだわ…」
と呟いていた。