「いてててて……」 転んだときについた手首が痛む。 私の目の前にはぶつかった人がいた。 お尻を摩りながら、その場に座り込んでいる。 「ごめんなさい!」 私はとっさに謝った。 あれ? この子、同じクラスの西園寺琴音(さいおんじ ことね)さんじゃない? 私はあまり話したことのない子。