「これと、これと、あとこれもいるな…」
必要な物をカゴに入れながら、店内を歩き回っていた。
ふと気付いたら、神崎先輩の姿が見えない。
あれ?
どこ行ったんだろう?
キョロキョロしていると、急にカゴを引っ張られ、振り返ると、神崎先輩が立っていた。
先輩は何も言わず、私からカゴを奪った。
「先輩? 私、持ちます。」
そう言ってカゴを取ろうとしたら、先輩はスッと私の腕をよけて、そのままレジに行ってしまった。
必要な物は、だいたい揃っていたからいいんだけど…
いきなりどうしたんだろう?
やっぱり私のこと嫌ってるんだろうな。
帰り道、先輩は一言も話さなかった。
だけど、荷物は全部先輩が持ってくれた。
思ってたより、優しいところもあるんだな…。