その時、涼が口を開いた。



「あ、この子が絢香。僕の彼女」



「おぉ! 君が絢香ちゃんか!


 涼から耳にタコができるほど


 話を聞いてるよ。

 

 すごく可愛い彼女ができたって」




「涼……、私のこと、


 お父さんに話してたの……?」



「うん。手紙とか電話で」



涼のお父さんは、

すごく感じの良い人だった。




「涼、アメリカでの仕事は

 終わらせてきたから、

 
 これからは

 父さんも日本に住むよ。」



「えっ」




「絢香ちゃんとも、

 一緒にいたいだろ?」



涼のお父さんは、

涼をからかうようにそう言った。