「ああ、もういいんだ。

正式に別れることになったから」

そう言った上川に、
「えっ…?」

私は聞き返した。

「だからもう、園美が心配することなんて何もないよ」

上川はそう言って私の隣に腰を下ろした。

「どうしてなの?

彼女はあなたとヨリを戻したがっていたじゃないの」

そう言った私に、
「ああ、そう言ってたよ。

でも俺はそれを断った。

“お前よりも好きな人ができたから別れて欲しい”、って言ったよ」

上川が答えた。