その場に座り込むと、冷蔵庫に背中を預けた。

「――大嫌いよ、あんな男…」

呟いて、息を吐いた。

「大嫌いなんだから…」

そのとたん、私の目から涙がこぼれた。

「何で涙が…」

ぬぐってもぬぐっても、涙は止まらなかった。

泣きたくないのに勝手にこぼれ落ちる涙に、私はどうすればいいのかわからない。

「――どうして…」

上川との繋がりはもうなくなったから。

会社以外で上川ともう2度と顔をあわせなくて済むから。

なのに、どうして涙を流さないといけないのだろう?