遠くから、あたしを呼ぶ恵介の声がする
 
けど、近くからは悲鳴らしき声が…
 
声がする方を見ると、エスパーが窓を越えてこちらに向かってきている
 
当然エスパーのクラスメイトも
こっちを見ていて先生は窓から
何か叫んでる様子…
 
「…先生、俺が保健室に
連れて行くから」
 
先生はエスパーの行動に、
圧倒されて
 
「た、頼んだ」
 
しか言わない
 
あたしはエスパーにお姫様抱っこをされて何も言えずに亜子を見ると
 
彼女は笑顔で手を振っていた…
 
「重いから降ろして下さい。自分で歩けます」
 
「…うるさい。…大人しくしてろ」
 
初めて聞く低い声に若干涙目になりながら
 
あたしは抵抗するのをやめた…