「何だよ、あの赤ら様な感じ」
「まぁ、まぁ、ねぇ要」
「亜子、サッカー部行くよ」
亜子を連れてブツブツ文句を言ってる
恵介とサッカー部を観に行くと
佐々木先輩は案の定、女子に囲まれていた
「あ、駿ちゃんだ。…囲まれてる」
「駿くんもかっこいいからね」
「ちょっと行ってくる」
あたしはと言うともちろん佐々木先輩の近くには行けず恵介と少し離れた所で見ていた
「お前さぁ、…その。
行けんの?」
…行けんの??
「あ、高校?大丈夫だよ。
お母さんも高校は出といた方が
いいって言ってくれてるし」
「そっか…、よかったな。
何かあったら言えよ。うちの
母さんもお前のこと心配
してるからさ」
恵介は保育園からずっと一緒で
家もお隣さん
あたしの両親はあたしが産まれて
すぐに離婚した
だからお母さんは休む暇もなく
働き詰めの毎日
そんなあたしを恵介のお母さんは
心配してよく恵介の家にお邪魔していた