「…どうしたんですか?」
 
先輩の表情はいつになく
切羽詰まった感じ
 
「…日本を発つ日が、
 
早まりそうなんだ…」
 
…え?
 
「今、親父の連れの店で勉強させてもらってるって話したろ?その親父の連れってのが有名な人で、留学先のお店に俺を推薦っつーか、推してくれたんだよ。そしたら3月からじゃなくても早めに来て欲しいって…。だから…
 
 
年明けたら行く」
 
 
頭を鈍器で殴られた様な衝撃だった
 
「と、年明けたらって…」
 
 
「1月1日に発つ」
 
 
1月1日って…あと何日後?
 
確か、今日は…12月21日だから
 
あと、10日?
 
あと10日でいなくなるの?
 
 
「…めっ。要っ」
 
「あ…、あたし、帰らなきゃっ」
 
 
あたしは逃げ出した