それはあなたの顔が近いからで…
何、急に意識してるの、あたし
何か話題を変えなきゃ…何か…
何か…
そうだっ!
「あの、山下敦郎って人知ってますか?」
「…急に何で?」
エスパーは不思議そうな顔をして
こっちを見ている
「あたし2回くらい見かけたんです。周りに女の子達がいっぱいいたんで本人の顔は知らないんですけど…どこ行くにも女の子達に囲まれて、絶対一人になりたい時もあると思うのに。何だかかわいそうで…」
エスパーは目を細めて少しだけ
笑った
「…知らない人にそう思えるなんて…優しいね。周りの男子は、
羨ましがってるのに…」
「確かに最初見た時はモテていいなって思いましたけど、でも…」
「…大丈夫。あいつも一人になれる場所あるみたいだし…」
「そぉですか。ならいいんですけど」
…ん?あいつも?てことはエスパーは山下敦郎と友達なのかな
「エスパーさんは山下敦郎さんと仲いいんですか?」
「…何で?」